
2022年11月27日(日)
京都市武道センターで開催された《剣道定例段位審査会》にて
剣道五段に合格しました。

(合格証書を手にサクラサク高瀬川にて)
WBC2023日本代表の優勝で日本中が歓喜に沸いたのは記憶に新しいところ。
野球日本代表を『侍JAPAN』と称されます。

侍精神の要素を今に受け継ぐのが剣道。
そんな剣道に少しでも興味を持って頂けたら幸いです。
本題に入る前に…
五段審査を目前に控えた10月・11月。
僕が所属する火曜日の道場の他、月水木土曜日の仕事終わりには
可能な限り他道場の稽古に出向きました。MAX週5。
ご指導頂いた先生方や稽古仲間には心から感謝致します。

(とある稽古風景:僕は左側)
更に、日々の稽古を応援して下さったお客様。
影で支えてくれたスタッフや家族の協力が有ったからだと思います。
今もなお剣道を続けられる環境に感謝です。
前置きはこの辺で…
日本が誇る武道の一つ剣道。
知ってるようで、実はあまり知られていない 「剣道の世界」
剣道普及活動の意味を込め、
興味のある方もない方も最後までお付き合い頂けますと幸いです。
ご存知の方も居られると思いますが、
僕自身、二人の兄の影響で小学1年~高校3年まで剣道を続けました。

(左から次男 和彦・三男 直也・長男 賢治)
高校卒業後は竹刀を握る機会もないまま時が経ち…
今から約6年前
当時小学2年だった息子が剣道を始めたのを機に
20年以上のブランクを経て剣道を再開し今に至ります。
(2016年6月頃のブログでも記載しています)
お客様との会話の中で…
「子供の頃剣道を習ってた」
「兄弟が剣道していた」
「高校の授業でやったことある」
「息子が剣道部」etc…
そんなお声を時々耳にします。
とは言え、剣道はあまり知らないという方が大多数ではないでしょうか。。
そんなことを踏まえ
「マツコの知らない世界」っぽく、剣道の世界を少しだけ紹介します。
<項目>
①剣道人口は意外と多い?
②なぜ剣道はオリンピック競技にならないのか?
③剣道の昇段審査とは?
①[剣道人口は意外と多い?]
国内外の競技人口をまとめました(諸説あり)
・剣道
日本国内180万人 世界250万人

・柔道
日本国内16万人 世界数百万人

・野球
日本国内800万人 世界3500万人

・サッカー
日本国内480万人 世界2億7000万人

・バレーボール
日本国内42万人 世界5億人

・バスケットボール
日本国内218万人 世界4億5000万人

・卓球
日本国内30万人 世界3億人

・クリケット
日本国内2000人 世界3億人

・日本国内の剣道人口は柔道の約10倍のイメージ
・日本国内の180万人は、日本の人口から換算すると約50人に一人の計算。
正確な数字は不明ですが剣道経験者は想像以上に多い事に驚きました。
・世界の総競技人口の約7割が日本が占めています。
※国際剣道連盟への加盟国40ヵ国以上
韓国約50万人・フランス約1万人・アメリカや台湾約5000人・ドイツ約3000人etc…
ここ数年、中国でも剣道の人気は高まってるそうです。
(先日ネットニュースで取り上げてました)
近年では、アニメ『鬼滅の刃』がヒットした影響で剣道を始めた子も一定数居ます。
切っ掛けはどうであれ剣道人口が少しでも増えたら嬉しいです(^-^)
日本国内で年代(組織)ごとの占める割合は?
・学校剣道部28% ・警察関係14% ・一般道場、スポーツ少年団58%
全ての競技に共通しますが大学進学や就職することでやめてしまう人が多くなり
それを機に競技人口は激減の傾向。
因みに、
僕が幼少期を過ごした滋賀県愛知川町(えちがわ町)〔現:愛荘町〕は
人口約1万人に対して、剣道スポーツ少年団の当時の団員は約200人。
町民50人に一人の計算で剣道が盛んな地域。

剣道を始めた頃 (小学1年生の夏合宿にて)
※竹刀の持ち方が正しくありませんね(>_<)

当時通っていた愛知川小学校は1学年2クラスで各クラス6~7人が剣道に所属しているイメージ。
愛知川町は滋賀県有数の「剣道の町」でした。

この写真の裏に母が残したメモ
(昭和55年 1月5日) 直也6級
『直也が一番強そうですね』の一言…(^_^;)
母は、どんな試合にも応援の為に同行していました。
それが僕にとっては支えになってかも知れません。
今でも時々当時の事を思い出すそうです。

・三人兄弟の3番目ということもあり、防具はいつもお下がりでした(>_<)
②なぜ剣道はオリンピック競技にならないのか?

全日本剣道連盟がオリンピック参加に反対している理由に
『武道でなくなってしまう』が挙げられる。
本来、剣道とは『剣の理法の修練による人間形成の道である』
という理念のもとに行う武道です。
勝利至上主義となり「相手を尊重し礼節を重んじる武道」の文化が損なわれかねない。
(ガッツポーズ禁止・審判への抗議システムがないetc…)
観ている人にも分かりやすさが求められ、
ビデオ判定・チャレンジ制度が導入されれば本質を失い[剣道のような競技]となる。
※実際、『一本』の判定をスロー再生すると、実際は外れている事は多々ありますが、
サッカーW杯で話題となった[VARシステム]や
WBCでも採用された[チャレンジ]導入は皆無だと思います。
更に、オリンピック競技の基準に満たない事も要因。
・夏季:男性は75か国以上4大陸以上、、女性は40か国以上3大陸以上で実施。
・冬季:25か国3大陸以上で実施されている事が条件となる。
※国際剣道連盟の加盟国は約40か国で、夏季オリンピックの選定基準に満たない。
以上のことから、剣道がオリンピック競技になるのは難しいようです。
因みに
1970年に始まり、3年に一度開催される剣道世界大会では日本が12連覇。
過去17回開催中、日本は16回の優勝 (13回大会は韓国が優勝)
③剣道の昇段審査とは?

(審査当日の様子)
剣道の段位は初段から八段 (級は1級から6級まであり)
五段の僕は相撲の番付で例えるなら【小結】
まだまだ上には上があります…。
昇段の条件とは?
初段の対象は13歳以上となり、受審の条件は以下の通り
()は各段位の合格率
・初段:一級受有者・満13歳以上(80~90%)
・二段:初段受有後1年以上修業した者(70~80%)
・三段:二段受有後2年以上修業した者(60~70%)
・四段:三段受有後3年以上修業した者(30%)
・五段:四段受有後4年以上修業した者(25~30%)
・六段:五段受有後5年以上修業した者(25~30%)
・七段:六段受有後6年以上修業した者(20%)
・八段:七段受有後10年以上修業した者かつ46歳以上(1%未満)
『四段』から合格率がグッと下がるのがお分かりかと思います。
一般的に四段以上が指導者の立場とされます。
※注目は八段のハードルの高さ!
一説によると、国内のあらゆる資格試験の中で最も難しいとされます。
2022年11月、二日に分けて行われた八段審査会では
受審者1674名 合格者16名(合格率0.95%)
合格者16名の中に京都から2名。京都のレベルの高さが伺えます。
審査方法
・実技 (生年月日の若い者から順に約1分間の試合形式で前後の者と2回行う)
・日本剣道形 (実技審査合格後行う)
・学科(ex)
初段…中段の構えの特徴について書けetc…
二段…残心について述べよetc…
三段…打突のについて説明せよetc…
四段・五段…「一眼二足三胆四力」について説明せよetc…
※現在、コロナ禍において学科試験は申し込みの際にレポート提出の形式です。
審査に臨むにあたり、日頃の稽古はもちろん
正しい『着装』を心掛けました。
面紐&胴紐を新調。
更に自宅にて防具をセルフクリーニング。
自身で藍液を塗り直し防具の藍色が蘇りました。


前日には袴のヒダをピンピンにアイロンがけ。
受けるからには『抜かりなし』で挑みます!
審査当日…
タイムスケジュールはこんな感じです

※段位ごとで審査料・登録料は異なります。
午前中のお客様を終えて自転車で会場へ。
顔は笑っていますが、実は緊張感MAX!

いざ!(まりちゃんが見送ってくれました。)

仕事の合間に昇段審査受ける人ってあまり聞いた事ないらしいです(^_^;)
本番では自分でも驚くほど平常心で臨めました。
今まで諸先生方に教わった事を出し切りました。
あとは『』人事を尽くして天命を待つ』の心境。
そして緊張の合格発表‼
全員の実技審査が終わった後、こんな感じで合格発表 (僕は31番)

僕が五段を受審した際、48名の受審者に対して合格者15名。合格率約31%でした。
おかげさまで4年前の四段審査に続き、今回も一度目の挑戦で合格(^-^)
後日発表された実際の合格率
京都府剣道連盟㏋より

今回の結果を受け
剣道を続けられる環境に感謝し
5年後の六段審査に向けてより一層精進します!